パブリックリレーションズのありかたを知る

パブリックリレーションズ定義補足

パブリックリレーションズを使う対象ですが、ほとんどの担当者は会社の外・組織の外に対してのみ使うと思い込んでいます。これは情報発信の「発信」にフォーカスしすぎた目線であり、発信(アウトプット)するためにはその倍以上の吸収(インプット)が必要であり、そのバランスを取ることが専門家への第一歩となります。

インプット

インプットという点から見ていくと、まず組織内で何を発信するのか、方針を定めなければなりません。

経営戦略に沿ってパブリックとどのようなコミュニケーションを取ろうか?という考え方や方法論をおおまかにまとめる必要があります(コミュニケーション戦略を作る)。

 

アウトプット

それが決まると、情報を持っている人と協議してどのように発信するかを考えます。アウトプットを本格的に組み立てていきます。ほとんどが社長やエグゼクティブ層との綿密な対話により得られることが多いですが、集まった情報をどう分担するか、というようなことを上司や部下とのすりあわせに落とし込んでいくわけです。

情報によっては、違う部署や関連するパートナー企業同士での連携も必要になります。

 

フィードバック

一方、外部の世界とコンタクトを取れば、時に外部からの要望や問い合わせを社内に伝える必要性も発生します。そのときにパブリックリレーションズは外部の視点に立って社内の人間と折衝しなければならなくなります。

 

中立性の真意

パブリックリレーションズを担う者は、会社の代表としてその情報発信を担いながら、同時に社内に対しては「外部社会の代表」として接し、双方の求める情報と理解をすりあわせるために働かなければなりません。ゆえに、会社のありかたがどうこうと言う前に、広報・パブリックリレーションズを担う者は、目の前にある情報に対して「まず」中立が求められるのです。

これができずに基本スタンスが会社にばかり目を向ける態度に終始する場合、会社にとって不都合な情報は隠し、良いことだけを強調する「宣伝」、さらには「プロパガンダ」「扇動」に情報発信が変質してしまいます。逆もまたしかりで、定義にある「相互理解」など遠い理想になります。

 

まとめ

インプットからアウトプット、そのあとのフィードバックという情報の受け渡し、やりとりのすべてにパブリックリレーションズはかかわっていきます。情報のステージごとに、パブリックリレーションズ担当者は社長の立場、会社の立場、社員の立場、パブリックの立場、顧客の立場、とスタンスを変え、情報を中立に扱うようにつとめます。これは、偏った情報伝達を防ぐための基本動作となりますが、担当者は会社や組織の中で、際立って独立型思考を養い、中立を貫く強い意識が必要になります。

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