PR101では、日本国内でまちがって使われてしまっているパブリックリレーションズの知識と用語、その定義について、実例を上げながら修正をし、そのうえで正しい考え方、そこに至るまでのロードマップを示してみたいと思っています。
おおまかな修正ポイントは2つあります。
1.パブリックリレーションズの世界標準の定義を知る
2.情報発信はすべて経営に基づいて発信されると考える
まず、この国ではパブリックリレーションズの担当者や専門家に、上記2つのことを正確に語れる人はほぼいないと思ってください。本場アメリカのようなパブリックリレーションズの専門学部で学んだ人でないと、基本的な情報発信のフレームワークを知らないですし(その代表的なRACEアプローチやROPEメソッドがそもそも国内で流通しておらず、PDCAなどというまちがったフレームワークをはめこもうとしている、とか)、独学で現場目線のパブリックリレーションズ思考になってしまいます(see★「用語の定義」http://pr401.com/?cat=16)。残念ながら、現場たたきあげだけですべてをカバーできる分野ではありません。
PDCAをなぜかPRワークフローに強引に入れたがるおかしさを指摘した記事↓
戦略PRを標榜していても、経営にリンクする情報はすべて社長が発信源であり、情報発信は組織全体を包み込むものでなければ機能しなくなります。社長発信を前提に、その交通整理を「広報室」「コーポレートコミュニケーション部」といった部署でさばいていこう、という思想が必要ですが、現場感覚で整備することは枝葉末節目線に陥り、同じ「戦略」でもまったくちがった結論を導き出すことになります。この国で「PRのテキスト」と呼ばれるような書籍・資料のほとんどにその傾向が見られ、大変残念な気分になります。
社長の考えを文書化した経営戦略をもとに、どのような情報発信をこころがければ目的を達成することができるのか、という考え方がまずありきで、その先に「広報室」や「コーポレートなんたら」を組織することが認められるのです。部署を作ってから発信を考えるのは大間違いです(★see 「その部署は本当に情報発信をする気があるのか?」)。
ここではなるべく丁寧に、専門用語や知識として流通しているはずのこの国の「パブリックリレーションズ」を、用語の定義をしたうえで、全米PR協会が定めた最新のパブリックリレーションズの定義を解説し、コミュニケーションのそもそもの成り立ちの構図解説、パブリックリレーションズの仕事をする際に求められる思考やスキルについての概要をまとめていきたいと思います。
(see★「身近なものから知るパブリックリレーションズ」http://pr401.com/?cat=5)