パブリックリレーションズが行う情報収集は、組織の事情により、多岐にわたることもあれば、特定のことだけを探し続けるケースなどもあります。が、ストラテジックコミュニケーションの観点からいうと、社会情勢と業界情勢をバランスよくまんべんなく調べるのが妥当であるといえます。
情報収集を、簡単にまとめてみたのが、以下の図「テーマ別情報収集モデル」です。
キーワード設定さえすれば、ルーチン作業になるので大量に集めても大した作業量はないですが、特定のテーマを定めて調査となると、作業時間は増えます。調査の入れ込み度は、ルーチンはとくに考えなくていいですが、まとめる作業となると、めんどくさくなっていきます。
時間がないなら最低限調べればいいこと
自社に対するネガティブ情報の収集です。ポジティブ情報は拡散を放置していても自社のブランドを毀損することにはつながりませんが、ネガティブ情報は何らかの課題点が内包されているため、早く取り上げ、対処する必要があります。
自社についての情報は、ルーチンサーチで十分
グリーンで囲った箇所ですが、記事クリッピングやテレビ録画データなど、ルーチン作業による日々の収集をさします。いいか悪いかは、結局のところ担当者の判断に分かれます。どちらにもならない中立の情報出展などもあります。
「~を取り巻く動向」
自社から業界、国・地域、経済・政治・人口動態というような、テーマにからめた情報収集です。
まとめる
「~を取り巻く動向」を何らかのテーマでまとめたり、資料化する半分作業、半分クリエイティブな情報収集です。社内報や何らかのPR誌記事はこのレベルと選別していいと思います。
研究・分析
経済研究所がまとめるものや、年末に乱立する「~~ベスト10」の類などはほぼこの領域です。特定のテーマで集めた情報が新しい価値を伴って市場に流通しているものです。PR担当が一定のサイクルで外部にも通用する独自レポートを出す、というのは、相応に重みのあることになりますね。
高度なまとめには経営者的視点と詳細のテーマ設定が必要
情報収集は、ルーチン化できるアクティビティですが、それは担当者レベルで自社まわりのことを把握する、という最低限のことにすぎません。せっかく日々の収集活動、経営者目線を取り入れて、最終的には研究レポートを世間に有料で販売できるようなまとめ方ができるような高度化を図るべきだと思います。
こういったとりくみの高度化は、パスファインダーとして多くの可能性を発見するはずです。
###