パブリックリレーションズの企画書フォーマットは、本場アメリカのを参考にするのが一番

PR201

広報、パブリックリレーションズのアイデアをまとめるための企画書のフォーマットはないものか。担当者の多くはこのどうでもいいけど避けては通れない課題に直面しているはずです。営業や新規事業開拓などの分野から転用して使っているケースが多いようですが、パブリックリレーションズ(PR)にはパブリックリレーションズ(広報)なりに必須項目というのがあるので、流用で作った企画書では論点がずれたりしがちです。

パブリックリレーションズ専用の企画書フォーマット。

私は全米学生PR協会が規定するコンペ用企画書フォーマットがいちばんわかりやすくてフィットしたものだ、と思うので、ここに紹介したいと思います。

サマリー8ページ、全体企画書50ページ以内

全米学生PR協会(Pubic Relations Student Society of America; PRSSA)は、加盟している大学同士によるPRキャンペーンのコンペ大会を毎年開催しています。コミュニケーション系の学部を持つ大学60~80校から100前後のPRチームが参加しているので、かなりの規模ですね。

そのコンペ規格があって、サマリー8ページ、全体企画書50ページ以内にまとめてね、というもの。

全体企画書の中には、
・タイトルページ
・目次
・謝辞
・本文
・予算とその収支
・受けたドネーションリスト(現金、現物)
・資料リスト(音源や動画はその所蔵URLリスト)
がすべて含まれていることです。

本文部分をたくさん書きたいがために、予算表や資料リストを別添えとしてまとめるケースなどもありますが、ここでは認めていません。まあ、50ページくらいが読み切るには適切なのは、古今東西共通ではないかと。

重要な4つのプロセス

そのフォーマットは基本的に4つのプロセス構成を求めています。

調査(Research)

計画(Planning)

実施(Execution)

評価(Evaluation

実際のコンペ企画書(サマリー)には、前後に 表紙、エグゼクティブサマリーとコンクリュージョン(まとめ)、資料リストが加えられ、資料と表紙を除いて8ページにまとめるように、とあります。

 

調査、計画フェーズは、徹底的にPR課題抽出とその妥当性証明

当然、PRキャンペーンがどういう経緯で生まれ、どういう結論を導くのがいいのか、というものを示さなければなりません。コンペは経営戦略を実現していく1プロセスのPRキャンペーンというよりも、それぞれの学校・地区でコミュニケーション上課題が出ているイベント的なものに偏りがちです(そのほうが単年度で成果を出せるし、学生が在学中に達成するという意味でも意義があるから)。が、実務上は長期スパンの中での課題解決のほうが圧倒的に多く、本筋としてはこういったところにPR課題が見えてくるものなので、

 

・コンペの延長で企画をたてるのはキケン(目先のキャンペーンは結局何の解決にもならない)

・企画は基本的に経営戦略に沿っている

・経営戦略しかない場合は、コミュニケーション戦略策定が企画そのものになる

という目線を持つことが超重要です。

このマインドをもとに、調査フェーズはPR課題抽出のための要素をあぶりだすことに費やすのを第一としています。

実施フェーズは基本的に1か月間→実務でもこのくらいが妥当

データ計測の対象となる期間は1か月間を設定しています。コンペなのでこのくらいが妥当であることは確かですが、実業に落とし込んだ場合、ケースにより長期化することもあるでしょう。しかしデータ取得でこれでよし、という結果1か月としているようなので、実務でもこのくらいを目安にしていいのかな、と思います。

また、これらを文章化する場合、そんなに多くのスペースを割くことはありません。過去数年分の優勝者のサマリーを読んでみても、2~3段落程度で説明の多くが調査と計画について語っています。

評価フェーズ

オブジェクティブの設定時に、時期を具体化する、計測可能数値を導入するなどを規定しているので、実施の結果がそれとどのくらい差異が出たかを調べるのが基本となります。コンクリュージョン(まとめ)とのすみわけはあいまいで、評価フェーズで数値的なわかりやすい結果報告をして、コンクリュージョンでその他評価をまぜてまとめていくケースが多い気がしています。

コンペ成功へのTIPS → 企画をまとめるツボ

PRSSAは、このコンペ成功へのTIPSとして、ほかに以下のようなこともガイドラインで明記しています。これは普段の企画をまとめるときのツボとしても十分活用できるものです。

・リサーチを使いこなせ
調査はすべてのPRキャンペーンの意思決定にかかわるものであるべきであり、調査をどのようにキャンペーンに活用したかを示さないといけない。

・PR課題を知れ
あなたたちはPRの課題を見出し、その解決に向けてのゴールを導かなければならない。これはコンペの根幹をなすものであり、ジャッジにおいて結果を左右する最重要項目である。

・用語を理解する
4つのプロセス構成の意味、ゴール設定など、ここで要求されるすべての項目の意味を理解していないと、オブジェクティブのポイントがずれたり、実施結果の分析がぼやけたりしてしまう。

・結果を測れ
オブジェクティブが計測できない、あるいは計測されたものがゴール設定に比べて妥当でない場合は減点材料になる。

・コンペ規定を守れ
ページ数オーバーの企画書編集や、実施フェーズの改ざん、誤字脱字など文法的表記エラーなどはコンペ実施の意味をなさないものにしてしまう。

 

パブリックリレーションズの企画フォーマットの特徴は調査、計画プロセスにあり

一般的な企画書は、まずアイデアを披露することに注力していますが、パブリックリレーションズの企画書は、そのアイデアに至る経緯を論理的に組み立てるさまも重視しています。課題解決型フォーマットであるものの、新商品開発など具体的なアイコンがなく、キャンペーンという流動的なものが対象になることが多いため、「情報の流れ」をどのようにまとめるのか、というのがポイントになります。

調査・計画フェーズで詳細を解説し、PRSSAのTIPSでもさらに考察を入れた有料版を別に用意したので、PRの専門家はこちらの記事で具体的なTIPSを手に入れてください。