情報発信部署の名称や組織図で、その会社のとんちんかんぶりがわかってしまう

パブリックリレーションズ定義補足

パブリックリレーションズとは何か、という観点から、国内の企業がその内容をどれくらい理解しているかをはかる尺度を考察してみました。今回は組織編制から見てみます。

 

情報発信を活用しきれていないのがわかってしまうケース

成長中の企業ではバックオフィスまわりの人員整理は後回しになっているのが実情で、そのあおりをうけて情報発信もあとまわしに。それを単純に組織化して、とりあえず役どころで仕分けたのが上記のパターンです。

 

そもそもの勘違いはなはだしいパターン

パブリックリレーションズの日本のローカル翻訳語である「広報」とは、報道対応を出発点とする2方向コミュニケーションがだいたいの傾向です。一方、「宣伝」は自分たちの発信したいメッセージだけを対象パブリックにとどける1方通行のコミュニケーションなので、組織名に反対語を入れてしまっている点で何をしたいのかがわかっていないことを表明しているようなものです。

しかしだいたいこの名称のつく部署は、自分たちの都合のいい情報だけを発信することに心血を注ぐ集団であること(=宣伝)が多いですね。

広報部

やっている内容は販促活動(セールスプロモーション)という1方向コミュニケーションの1形態ですが、組織表記は2方向を標榜しています。販促では顧客からのフィードバックを取るパートがあるので、その部分をフォーカスしていけば2方向コミュニケーションになるとは思いますが、であるならば「販促部」としたほうがしっくりいきます。

広報部とは、販促の対象外の会社の情報、たとえば決算発表やコミュニティ活動、社長の動向などの情報も取り扱う窓口である必要があります(パブリックリレーションズの観点で、という意味で。日本に蔓延している報道対応=広報というのとは違う)。販促の仕事に特化してる仕事内容の人たちが、こういった情報の問合せに対応できるマインドはないでしょうし、できなければ意味がありません。

 

逆にいいかんじの組織編制

社長 ━  各種職能組織

パブリックリレーションズは経営情報とリンクしてなければいけないので、社長直下に組織を作ることはまっとうな判断です。ただし、このタイプは総じて社長の動向発表に集中しすぎる傾向があるので、注意が必要かも。

 

経営企画室に担当が所属する


経営戦略に直結して考えているのが一目でわかる構成で、組織構成上は最も効率的で妥当かもしれません。経営企画室が広報も担当する場合には、社長直下の組織とは逆に、組織情報や経営計画に特化した発信になってしまう傾向がありますので注意が必要です。

これを解消するためには、投資家向けの特殊コミュニケーションであるIR担当と併設した形で組織編制をすると、情報発信がバランスのいいものになるでしょう。

 

まとめ

パブリックリレーションズの定義は、組織と彼らのパブリックとの間に相互に有益な関係を築く(ひとつの)戦略的コミュニケーションプロセスのことであり、2方向コミュニケーションが基本ですが、その方策では宣伝のような1方向コミュニケーションなどとも組み合わせて実施するケースがほとんどです。発信メソッドで1方向か、2方向かという判断がつかない、わかっていない人が組織を作るとどうなるか、というのが如実に出るのがパブリックリレーションズの分野でもあります。組織の名称一つでその会社の情報発信の理解度がわかってしまいます。

どんな商品を扱っていても、会社全体の情報発信を心がけるのがパブリックリレーションズにおけるストラテジーです。その基本は自分たちの商品になりがちですが、経営方針やビジョンに基づいて情報発信を全体的にデザインすることが一番効率的で、効果があります。もし、あなたの会社の情報発信部署が「総務部の中の1部署」「広報宣伝部」「(販促しかしないのに)広報部」という肩書になっていたら、改善の余地があり、かつ、情報発信精度をアップさせる大チャンスが目の前にあります。