語られてきた理論や経験から、パブリックリレーションズにとりくむ人たちが持つべきものとは、以下の4つの要素ではないか、と思っています。
スキルとして取得したいモノ
それぞれで体系化されているので、そのカリキュラムを提供しているところのコースを受講するのが手っ取り早いです。短大卒程度のレベルで十分で、あとは結局のところ、実践を積み重ねるしかない分野でもありますね。
思考パターン
対立する要素を持ち合わせてなければ臨機応変に対応できません。この部分がいろいろな人たちに「広報関係者はジェネラリスト」と言わせてしまう原因になっているような気がします。
平時には、基本的に課題をさぐり、見つけ、解決に向けて合意をとりつける、というアプローチの連続です。緊急時や会社の存亡危機などで、既存の概念を超えた新しい行動をとらなければならないときにイノベーション脳を発揮する、という感じです。
基本アプローチ
分析したい人たちがよく言う「フレームワーク」がこれです。パブリックリレーションズにはRACEアプローチあるいは、ROPEオルガニゼーションという方式が存在します。え、知らない?やってはいけないのは、PDCAとKPIです。PDCAは製造工程における品質管理から始まった「中間確認」指標で戦略論ではないのが問題です。KPIも目標到達までにひとまず中間チェックポイントはどうするか、というものですが、コミュニケーションを扱うパブリックリレーションズは、中間目標点に達する前にアプローチ変更などよくあることで、プランのでどこがどこか?戦略をベースにしっかりと組み立てられたものかを検証することのほうが重要だったりします。
ベースマインド
経営戦略からものごとを考えるくせをつけること。これにつきます。広報担当者はニュースライティングをよりどころにした、情報発信のアンカーを担うマインドが根強くありますが、経営面から発信を総合的に考えないと、多様化・細分化したパブリック相手にコミュニケーションを維持するのは不可能となっています。経営戦略をもとに、ストラテジーをニーズごとに構築し、実践していくことができるか、という、破壊的イノベーションマインドを持つことが求められます。
まとめ
パブリックリレーションズは、厳然たるスペシャルスキルです。コミュニケーションを構築するために、経営の上流からものごとをロジカルに考え、必要なストラテジーを構築し、実施し、自己評価する流れは、産業・業種・規模を問わず備わっていなければならない必須項目なのです。
むしろ、産業・業種・規模に対してジェネラリストでなければならず、目線は常に受け取る側と同じレベルでないと(=あなたの会社のことなど知らないし、業種がどんなものであるかなんて、くわしくわからない。知りたいのはそれを通じてどんないいことが自分たちに起こるのか、ということだけ)成立しない職種です。