パブリックリレーションズ4.0

Key Note

お金2.0、マーケティング4.0と、世の中のいろいろなものをバージョンで表すのがいっときの流行になっています。パブリックリレーションズはどのくらいまで行っているのか、勝手に分類してみました。こんな感じではないでしょうか。

PR 1.0 Publicity is everything!
PR 2.0 使い走りPR
PR 3.0 専門特化PR(IR、Marketing、CSR、ER、GR)
PR 4.0 Strategic Comm.

PR 1.0 Publicity is everything!

「広報は、報道対応!」というマインドしかない昭和のパブリックリレーションズをさします。いまだにこういうマインドの担当者やPRカンパニーの人が多いのも事実です(というか、ほとんどこのマインドです)。また、「パブリシティ」という用語はグーグル翻訳では「宣伝」と訳されてしまったり、この用語を使う人たちの混沌ぶりがわかるというものですね。(シソーラスの原義は「extensive mention in the news media or by word of mouth or other means of communication」です。)

PR 2.0 使い走りPR

情報庶務ですね。いわれたことだけを発信する、というマインドセットで、企業広報のパブリシティ以外のコミュニケーションチャンネルを担当するときに起こる現象です。1.0は、報道発表しか頭にない単細胞的なマインドでしたが、広告や販促など、ほかの発信方法があることに気づいてそれを活用できないか、と考えることをはじめた段階です。広告やマーケティング畑で始めた人たちにとっては滑稽な図ですが、破壊力のある「報道に載る」ことに心血を注いでいた人たちの視野はそんなものです。

PR 3.0 専門特化PR(IR、Marketing、CSR、ER、GR)

外圧により特定の分野・テーマに対して「ちゃんと対応する」ためにルール化されたり、体系化されたりしたコミュニケーションです。IR(投資家や金融庁からの圧力)やマーケティング(消費者からの圧力)、CSR(社会の良心からの圧力)が顕著です。

PR 4.0 ストラテジックコミュニケーション

数あるコミュニケーションを特定のテーマに沿って運用してみよう、という試みです。企業においては経営戦略に沿ってやってみたらどうだろう、という考え方ですね。ものごとを上流から考える「マインドの大転換」が発生しており、3.0までのコミュニケーションチャンネル至上主義でないところが大きな特徴です。

 

まとめ

パブリックリレーションズは情報管理のあり方とコミュニケーションチャンネルの進化・多様化に伴ってその形を変えてきました。1.0になってしまうのも、4.0になりたいのも、コミュニケーションへの人々の理解度合やニーズにより変化し、定まっていくものと感じています。

PR5.0はなんなのか。担当者でなければできない情報発信ではなく、「気が付くと全員が担当者」という「個人単位に非中央集権化」、というキーワードによる経営革命にリンクしていくものだと思っています。本来は情報発信は個人単位で行われているものであり、自分のことを話すことがそのまま組織や仕事を語ることになっていく、ことが自然です。仕事とプライベートを分けなければアイデンティティを保てない現在の仕事環境がどのように「自然な」形に改善されていくのか、にかかっているといえます。

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