最新の発信手段が必ずしも有効とは限らない:ハンドメイド作家の場合

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SNSが浸透してから、世の中の情報発信はより手軽になった反面、手軽さにぶら下がりすぎてメディアミックスの融通性が欠けてきているのが気になります。相手の目線に合わせた送受信でないとコミュニケーションは成立しにくくなる、というコミュニケーションの法則性に照らすと、なんでもかんでもデジタル発信というのはスマートではありません。

ハンドメイド作家グループのジレンマと新聞報道

とあるママさんハンドメイド作家のグループが、彼女らの地元の商店街で空き店舗を数日借りてマルシェを開催する企画を練りました。もともと個人で活動していたのである程度のお客さんを持っているため、集客の心配はそれほどなかったものの、新しい顧客開拓や今後の活動をもう少し広げたい、という考えを持っていました。話し合いで出たのは、Facebookにイベントページを開設し、そこを情報発信にして集客を図ろう、というどこにでもありそうなプランでした。どこでもありそうなプランなので、事前のレスポンスはいまいち。そこで私は報道発表を企画し、3大紙にアプローチ、取材を獲得し読売新聞の地方版に大きく取り上げられることに成功しました。

本質的な課題解決に焦点を当て、その解消をイベントを通じて行う作戦

新聞は、多くの人に知られるという効果はもちろんのこと、信用力が一気にアップするメディアです。
個人事業主は手元の資金繰りの中で小さくビジネスをしているので、信用力は低く、お店を持つにも融資が下りにくいジレンマを抱えています。
ところが、新聞報道に載ると、個人であっても金融機関と行政機関は手のひらを返して応援してくれるようになります。

・融資の獲得
・許認可の通過しやすさ
・各種助成金情報の優先的な案内

イベントに出展した10以上の個人事業主は、この報道を機会に出展機会を増やし、この実績をもとに事業計画書をまとめ融資を獲得し、地元での仕事の引き合いを増やすことができたのです。

これは、集客と同じくらい大事なニーズで、ビジネス上の課題です。この報道記事はポートフォリオにすることもできるので、作家さんの過去の活動実績として、別のマルシェ出展などの審査で大きなポイントを稼ぎ、出展枠獲得などの効果も得ることができました。

長期的利益を忘れずに吟味する

戦略的パブリックリレーションズは、目先の売り上げや集客に加えて、どんなパブリックとの関係を作ると作家さんたちはよりハッピーになれるのか、を考えました。取り上げられる要素も十分に持っていたからこそ成し得たことでしたが、たとえば

・シェアリングエコノミー
・空き店舗対策、空き家対策
・地域需要の活性化、コミュニティの活性化
・個人(とくにママさん)の副業、事業、起業

というようなトピックスも報道発表では強調したのです。
彼女たちのとりくみが肩ひじ張らない社会貢献活動につながっていて、その姿が記者の目に留まったのです。作家さんたちの地位向上はもちろんのこと、この人たちが地元でより活発に活動した先に何があるのか、を誰もがポジティブな目で共有できたのです。

まとめ:一番反応するパブリックを刺激する

いつもFacebookを中心にSNSで情報発信を行っていたのですが、今回の集客は新聞の読者が中心でした。しかし、富裕層や商店街に籍を置く自営業者、行政関係者の読者が多かったので、その後の融資獲得や制度利用で道が開けたわけです。

しかし、たとえばアプリの開発で新聞に取り上げられたとしても、集客やつながりの効果はこれほど実りあるものになったでしょうか。隠れたニーズを探しだし、いいタイミングでマッチングをしなければ、たとえマッチングがよかったとしても効果は半減することがあります。

取り上げてもらいやすいメディアやチャンネルがあるのも事実ですが、紹介することで両者が大きな成果を得られるパブリックを探し出し、そこにアプローチすることが効果を最大化させることにつながります。