PR概論:パブリックリレーションズ担当者に法律教育は不要、は、間違いです

PRプランナー試験

PR概論の過去問題考察で、玉虫色にちかい間違い(笑)を発見したので、指摘します。

問題:パブリックリレーションズ活動を進めていく際に、広報・PR担当者に要請される倫理的視点に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選びなさい。

解答:企業不祥事に対する社会の目はますます厳しくなっているので、社会常識にとらわれることなく、従業員が各種法律をきちんと守ることができるよう判例も含めた教育を徹底する

解説:~担当者は法務業務に携わるわけではなく、専門的な法律教育までは必要ない

うーん、半分以上間違ってます。

『各種法律をきちんと守ることができるよう判例も含めた教育を徹底する』というのがどの程度のものなのかがまず不明ですが、「徹底」を弁護士レベルあるいは、法務部の勉強会レベルであるなら、「専門的な法律教育までは必要ない」というのはまあ受け入れていいかもしれませんが、実務面でパターン研究などは逆に弁護士の勉強レベルくらい時間をかけて調査し、精査するべきことです。

著作権、薬事などそれぞれの分野に必須の法律の勉強は「絶対必要」で「徹底」させるべき!

法律的に必要なこと
著作権についての知見は、どうしても必要になります。

・引用技術論
・著作権の人格権についての規定

とくに身近なのは、写真や他人の記事の引用と、商用利用における権利関係の確認ですね。引用技術論は、記事全体の何パーセントまでなら引用で埋めてもOKか、とか、引用のしかた。これをうけて、記事調査などで盗用がないかとかを調べる要素になります。

業界によっては法律に注意しないといけない表現も多々あります。
典型的なのはヘルスケア部門の薬事法にそった記事作成、などですね。

上場企業の場合、開示ルールは金融商品取引法に沿わなければあとで大問題になりますし、CSR関連に至っては、環境の法律やコンプライアンス自体のルール掌握は必須になります。

表現者である以上法律の裏付けは取らないといけない

知識が高度化すればするほど、ひとりで仕事を完遂できなくなるのは、この知識社会では常識のはずで、むずかしいことを発信しようとすれば、高度な知識を正しく公平な視点で伝えなければならず、そのため法律の裏付けはかなり重要な要素になってきます。

法律を弁護士を目指す人のように学ぶ必要はありません。が、要点把握と実践面でどう使いこなせばいいかの、関係者の統一した研究と見解のまとめは必須であり、使い方の足並みを乱すことは「言行不一致」を招き、組織体に危機をもたらします。

そういう状況でもなお「法律の勉強は不要」というのなら、いったいどういった種類のPRパーソンを求めるのか、ということになりますが、資料をしらべてまとめる、経営者のスケジュール帳を管理する、言われた修正をなおしておくというような情報庶務のイメージしか浮かびません。戦略PR(ストラテジックコミュニケーション)を標榜しているなら自律行動が必要であり、その武器とは法務の理解、常識の理解、情報発信選択肢の大量保有、というような要件が必要になるはずです。つまりは法律の勉強は必須なのです。が、試験では「必要ない」と答えましょう。テストに落ちます。

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