PR概論のパブリックリレーションズ理念説明は、背景や前提解説がほしい

PR101

パブリックリレーションズの定義を理解していることはもとより、それを有効に活用するためにはどのような理念を持っていなければいけないのかということは、意外とまとめられていません。国内PRマンのいちおうのテキストブックであるPR概論には、「行政広報論」の井出さんがまとめた項目を広報・PRの4つの理念としてあげています。

・事実に基づいた正しい情報を提供する
・2Wayコミュニケーションを確保する
・人間的アプローチを基本とする
・公共の利益と一致させる

また、PR概論ではパブリックリレーションズの世界的企業、バーソンマーステラの創業者・ハロルド・バーソンの、パブリックリレーションズの役割を以下の4点にまとめています。

1.センサーとしての役割
2.企業の良心としての役割
3.コミュニケーターとしての役割
4.モニターとしての役割

なんとなくわかったような、わからないような。

受け売りで気軽に使えるフレーズばかりですが、それぞれを改めて自分の言葉で伝えようと思うと、なかなか苦労するファジーさに満ちていると言えます。それぞれのフレーズに対し、どういった経緯でこのような解が導き出されたのか、という質問をしてみると、どれも説明が難しいのです。しかし、以下のキーワードでわたしたちが共通理解すべき項目を整理すると、なるほど納得いきます。

情報とは、利益とはなにか?

編集権

双方向のウソと重要性

公平・公正・事実にしなければ?

これらがわかってくると、この人たちがあげたPRの理念には、「中立権の維持」という隠されたキーワードが出てきます。この人たちすらちゃんと説明してないことですが、パブリックリレーションズ担当者は、組織の内外のはざまに常に立たされる中、「言いようのないジレンマ」に襲われ、そのジレンマの原因物質の判定ができなければ利益相反を錯覚し、精神的疾患を患うこともある危険さがあるのです。

共通理解すべき項目を整理すると、ジレンマは回避できますが、同時にこれらは結局のところ、社長から言われたことだけを処理していると、まず実現は不可能だということに気づきます。良心を発揮するには独自判断が必要ですし、それができなければモニターもセンサーもありません。2Wayは相互に有益な関係の理解はもちろんのこと、立場によって情報の見方と価値がころころかわり、それにあわせていけばいくほど事実に基づいた中立的立場を貫くことが求められていき、そのバランスが良心を生み、自己防衛として人間的アプローチをとったり、共益性を落としどころにしたりするわけで。

結局のところ、パブリックリレーションズはサラリーマン根性での実現は到底不可能であり、経営者目線で情報を上流から流していく視点の維持と、それにみあったアクティビティ、すなわち戦略的コミュニケーションの構築が必要になります。

まとめ

PRの役割や理念を、語られている簡単な文章だけを理解していればいいというわけではなく、これらのことばが生まれた背景も読者に共有してもらわなければ、それらは上っ面の理解としてPRパーソンたちの間違った行動を生む原因になりかねないと思います。シンプルなことばにまとめることが、パブリックリレーションズでは多いのですが、それらを個別に分解しようとしたときに説明ができない場合、何か大事なことが欠落している、とPRパーソンは気づかなければなりません。

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