PR解説がむずかしい理由

Key Note

パブリックリレーションズとは、なんですか?

とくに広報部署の人、こたえてください。

この質問をたくさんの広報担当者にしてみましたが、すべての人たちが解答できませんでした。正確には、

1、広告と混同
2、マーケティングと混同
3、パブリシティに限定

のどれかという、間違えた答えが返ってきました。

広報、PR、コーポレートコミュニケーション、ストラテジックコミュニケーションと、パブリックリレーションズに関する用語使いは多数存在します。マーケティング、広告・宣伝、インベスターリレーションズ、ロビイイング、組織内コミュニケーションなど、関連するコミュニケーションまで含めると、一体何個あるのか、と思えるほど用語であふれてしまいます。

こまったことに、これらの用語の定義も自称広報担当者たちはまちがえています。

これらの間違いを放置したまま、企業において情報発信を担うのは、とても危険です。

情報の編集の視点がずれ、判断の基礎となるコミュニケーションの前提をまちがえているため、情報発信は独善的で一方的になりがちになってしまうからです。その時点でパブリックリレーションズの定義から外れており、プロパガンダニストに知らず知らずのうちに代わってしまいます。知識が間違っているため、自分で修正することもできません。

定義解説があっているようでも、経営者の視点か、従業員の視点かで、その扱いが180度まったくことなってしまうことも、パブリックリレーションズにおいては多々存在します。日本パブリックリレーションズ協会が認定するPRプランナー制度で、パブリックリレーションズにおけるコミュニケーションの方法論について、多くの従業員的視点が発見できます。

従業員的視点はまちがっていないものの、発信の範囲が限定される傾向があります。経営的視点で発信を総合的に柔軟に考えることができなければ、機会が奪われせっかくの発信が期待したほどの成果を得られない、ということに結びつきます。実際に多くの情報発信策が無策におわっているのは、この従業員的視点による発信であることが多いものです。

本来なら、定義を解説し、方法論を紹介し、事例で深化する一般的な説明プロセスをとるものです。

しかし、パブリックリレーションズについては、間違いを用語レベル、前提知識レベルでそれぞれ修正しながら、定義解説を改めて行い、さらに方法論を展開する前提条件の整理をしないと、間違って覚えたアタマを改定することは至難です。

PR401では、このパブリックリレーションズの修正と再解説を、PRの本場・アメリカのパブリックリレーション学・ストラテジックコミュニケーション学に沿って解説していくことを目的にしています。

基礎知識を整理しなおしてはじめて、方法論と事例研究を正確な視点で検証する下地ができます。

パブリックリレーションズの解説は、読む側のまちがった見解をいかに発見し、修正できるか、ということになります。このコンテンツはゆえに、自称広報担当者にとってはつらいものになるかもしれません。しかし、PRプラクティショナー本来の性格とは、たくさんの情報に誰よりも先に触れ、社員など組織の人間たちよりも自由で多様な視点でそれらを咀嚼し、とりいれる柔軟さがあるはずです。わたしはその可能性に賭け、パブリックリレーションズの解説を改めて整理してみよう、と時間を割いています。