パブリックリレーションズの定義理解から導入の前提までの道のり

PR101

パブリックリレーションズの解説は、骨の折れる仕事です。多くの人が日常的に使っている用語を交えて説明するのですが、その意味の理解がそもそもまちがっているケースが多く、それぞれの用語について修正していきながらまとめていく作業が必要なのです。困ったことに、そのまちがいを専門家であるはずの広報担当者やPR会社の役員が垂れ流しています。PR401では、このまちがいの修正をしていきながら、体系化されたコミュニケーションのあり方を示していく、ということを目的にしていますので、今後もそういった参考になる記事を上げていこうと思っています。

誰よりもちゃんと説明してみよう、パブリックリレーションズとは?

「広報」「PR」「コーポレートコミュニケーション」というような言葉であらわされるパブリックリレーションズですが、その原義となる本場アメリカの全米PR協会が更新する定義を解説しています。

これまでパブリックリレーションズの定義は、確認できるだけで500本はありますが、その中心はやはり本場アメリカの業界団体(全米PR協会)が定めた定義であろう、と思います。

この解説記事(パブリックリレーションズとは(定義解説))はこちら。

全米PR協会の定義が万能だとは、私も思っていません。現に最新の定義でも補足解説が異常に長いですし、定義が促す「戦略的コミュニケーション」という手法は「パブリックリレーションズ」という名前ではなく「ストラテジックコミュニケーション」という名前で普及が進んでいて、おかしな展開になっているからです。

この定義(本文部分)を解説するにも、前提理解がバラバラだと違った方向に行きかねないキーワードが3つも含まれている、と私は感じました(「相互に有益な関係」「パブリック」「コミュニケーション」)。

これらの共通理解が必要だな、と思ったのでそれぞれでまとめ記事を作っています。

パブリックとは、という解説記事は結局4つという長編になりました。

・自分と会社をみてみよう:パブリックとは
・自分と上司をみてみよう:パブリックとは
・自分が所属する部署を厳しくみてみよう:パブリックとは
・会社と社会:パブリックとは

相互理解についても2つになりました。
このテーマは、定義から除外された「双方向」にも通じるものがあり、それは別の項目でまとめています。
・相互に有益な関係とは:パブリックリレーションズ定義補足
・知ってもらうアウェアネスとハッピーな結果Win-Win状態をめざす(パブリックリレーションズ定義補足)

コミュニケーションの解説記事は、1人対1人という基本レベルに戻って、学部で実際に使われている教材要素を引っ張ってきて解説してみました。「コミュニケーションの基本モデル」は、人気記事になりましたね。

・コミュニケーションの基本モデル
・コミュニケーション方法論の勘違い(パブリックリレーションズ定義補足)

 

パブリックリレーションズ導入に必要な前提理解を整理した

パブリックリレーションズの定義解説をしても、その導入に向けて、これまた用語の定義が複数必要でした。

・情報とは、利益とはなにか?
・編集権
・双方向のウソと重要性
・公平・公正・事実にしなければ?

定義解説では、定義をあげてから必要な周辺知識を補足していったのですが、今回はストラテジックコミュニケーションという、パブリックリレーションズの導入事例における周辺解説から入っていきました。

・パブリックリレーションズで建前化した「双方向」を足かせでなく武器にするために
・情報発信は、事実・公平・公正を心がけざるを得なくなる
・パブリックリレーションズにおける情報の定義は、社長をボコることができるかに繋がる

プラクティショナーとして重要な中立性の要素とストラテジックコミュニケーション

定義解説、前提知識の整理を経て、はじめてストラテジックコミュニケーションの解説に入ります。
各知識との関係図は、以下の通りです。

このくくり方は、国内のパブリックリレーションズの解説モノには欠けている要素です。それっぽいものも何個か確認していますが、説明する用語の中での前提の整理がされないままのものばかりだったので要領を得ないあるいは的を得ていると感じたものは、私にとってはなかったのです。ということで、再度まとめてみたのがこんなかんじです。

孤独な戦い、ひそかなプライド・パブリックリレーションズの中立性

中立性というパブリックリレーションズプラクティショナーの存在意義を問う内容を前面に出したのも初めてのはずです。ファンクションとしての役目はたくさんありますが、それを担う人が何をよりどころに働くのか、ということを書いたコンテンツは皆無。というか、この意義を説明しなければ、公平性をもとにした情報発信はいとも簡単に捻じ曲げられ、PRプラクティショナーは本来の役目を外れ、プロパガンダづくりにかかわる危険性が生じてきます。

「気が付いたらプロパガンダニスト」は、しゃれになりません。そしてプロパガンダニストは「広報」「パブリックリレーションズ」を名乗るな、と言いたいのです。

さて、
実際のワークリストをあげたものが、以下の記事になります。これを表示することで、パブリックリレーションズが「ウエブ担当」「報道対応担当」といった局地的なものでないことを強く示したかったです。

社長の理解。情報の交通整理。戦略を練る。パブリックリレーションズの仕事の基本形

まとめ

定義解説や知識の前提の整理、ストラテジックコミュニケーションの全体像の披露と、まとめ方としては妥当だと思えるところを進んできましたが、文字数が多いので読者にとっては、かえってわかりづらくなっているかもしれません。高度な知識、高い向上心の人にとってはとびつく内容、のつもりでしたが、お忙しくてパブリックリレーションズのことにかまいっきりになれない高貴な人たちにとっては、図や表でまとめ、あまり漢字を使わない文章にまとめなおす必要があるな、と感じています。

今後はストラテジックコミュニケーションの部署を作っていく、という仮定で必要なメソッドを順次語っていく内容になっていくかと思いますが、忘れてはならないのは定義の知識とそれに至るまでの内容です。とくに中立性の重要さは、企業のあり方を左右します。これを忘れずに現場目線のスキルを読んでもらえる工夫をしていきたいと思います。